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アカデミー4冠「パラサイト」ポン・ジュノ監督 “新型コロナパニック”に警鐘 - auone.jp

 映画「パラサイト 半地下の家族」の魅力を語るポン・ジュノ監督。左はソン・ガンホ=東京・日本記者クラブ(撮影・堀内翔)

 映画「パラサイト 半地下の家族」の魅力を語るポン・ジュノ監督。左はソン・ガンホ=東京・日本記者クラブ(撮影・堀内翔) (C)デイリースポーツ

 9日(日本時間10日)に発表された第92回アカデミー賞で、作品賞など最多4冠を獲得した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督(50)と主演俳優のソン・ガンホ(53)が23日、都内で来日会見を行った。2人は、ナゾのウイルスに感染したとみられる主人公を描いた映画「グエムル-漢江の怪物-」(2006年)でも組んでいたことから新型コロナウイルスについて質問され、持論を展開した。

 パニック映画で描かれるパンデミックのような現状に、いま世界で最も注目を集める映画監督が言及した。韓国・大邱で新興宗教団体の信徒を中心に感染が拡大していることを意識してか、ジュノ監督は「浦沢(直樹)さんの『20世紀少年』が思い出されます。現実と創作物が相互に侵入し合うのは自然の流れ」と前置き。ナゾの組織に立ち向かう少年を主人公に、映画化もされた日本の人気漫画を引き合いに出した。

 中国から広まり日韓でも感染者は増加の一途だが「医学的な恐怖より人間の心理が作る不安が大きいと思う。巻き込まれ過ぎると災害を克服するのが難しい」と主張。「過度に反応すると恐ろしいことが起こるし、国家や人種的な偏見が加わると、より恐ろしい」と警鐘を鳴らした。

 アカデミー賞では非英語映画として史上初の作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4冠を達成。快挙を喜びつつも「なぜこれほど受け止められてるか、よく分からない。賞を目標に映画を作っていたわけではありません」とクリエーターの矜持(きょうじ)を示した。

 映画は日本でも興行収入30億円を突破する大ヒットで、国内での韓国映画歴代興収トップに。貧困家族の父親を演じたガンホだが高級ブランド「グッチ」を着こなし、「20年ほど前は日本でも韓国映画が多く紹介されましたが、その後、交流が少なくなった。『パラサイト』が日本で好評を得たように、お互いの国の作品に関心を持てたら」と“オスカー効果”を願っていた。

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