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倉本聰氏、日課は視聴率確認 通年ドラマで気をつけたのは「生き延びること」(オリコン) - Yahoo!ニュース

 脚本家・倉本聰氏(85)が9日、松屋銀座で点描画展『倉本聰 点描画とやすらぎの刻展 ~森のささやきが聞こえますか~』のプレス内覧会に参加。テレビ朝日系で放送中の帯ドラマ劇場『やすらぎの刻~道』(月~金 後0:30~0:50/BS朝日 月~金 前7:40~8:00)について、視聴率確認が日課となっていることを明かした。

【写真】『倉本聰 点描画とやすらぎの刻展』の作品

 昨年4月にスタートして以来、脚本家・菊村栄(石坂浩二)ら“テレビ人”たちが入居する老人ホーム「やすらぎの郷」の人間模様、そして、根来しの(清野菜名/風吹ジュン)・公平(風間俊介/橋爪功)夫妻の一代記を綴る「道」という2つの世界が絶妙なバランスで描かれてきた本作も大詰めとなっている。

 残すところ、わずかとなった同作。「もちろん毎日、見てます。だいたい朝9時前後に前の日の視聴率が届けられる。それと昼に見るのが日課みたいになってますね」と明かした。1年続くドラマの脚本は倉本氏にとっても初めての経験。「だいたい10月10日かかりました。途中、2週間ぐらい手術するので入院した」と振り返り「1番、怖いのは僕が倒れちゃうこと。役者の場合は代われるけど僕が倒れると、どうしようもない。とにかく生き延びることが1番、大問題。そのことに気を使いましたね」と冗談交じりに口にした。

 苦労した点を問われると「前のことを忘れちゃう」と苦笑い。「橋爪功に言われましたよ。『俺の役はもともとツイてない男の役だけど、あれはどこに行っちゃったの?』って。そういうこと書いてたなって…。忘れちゃう。こっちも認知症入っちゃってるから(笑)」と笑い飛ばしていた。

 同作には、2017年放送の『やすらぎの郷』で“姫”の愛称で親しまれたキャラクター・九条摂子役で昨年10月に死去した女優の八千草薫さん(享年88)も出演していた。倉本氏は「八千草さんは非常に親しかった。富良野に移る時、本当は八千草さんと一緒に買った。1400坪を2対1という比率で買った。一緒に家を建てようという話で」とエピソードを明かす。ただ、富良野が遠すぎたため、仕事との両立ができずに八千草さんは断念。倉本氏が買い戻したという。「それぐらい家族ぐるみで親しかった。最後はショックでしたね」と故人を偲んでいた。八千草さんは、風吹演じるしのの晩年を演じる予定だったが降板しており、倉本氏は「申し訳ないけど、最後の方の風吹さんのせりふは八千草さんに当てて書いた。やりにくかったと思う」と慮っていた。

 倉本氏は2つのドラマが同時に展開されるストーリーの同作について「お客さんがついてくるのか、実はものすごく心配だった。なんとかついてきてくださって、よかった」と胸をなでおろしつつ「強引なことをやって、わけわかんなかった人もいると思う。この場を借りて、お詫びします」と話し、笑わせていた。そして脚本にしたかったことについては「日本の戦後史、そして日本人が失っている故郷の原風景を書きたかった」と述懐していた。

 倉本氏は、仕事のかたわらライフワークとして十数年にわたり、富良野の森の樹々を描いている。1つの作品に打つ点の数は8万個に及ぶ繊細な点描画約70点が一堂に会する。また、ドラマ『やすらぎの刻~道』で使用したセットや小道具、出演者の衣裳等の展示も合わせ、特別企画として開催。関東では初開催となる。

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March 09, 2020 at 05:25PM
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