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日本学術会議の任命拒否 2018年に解釈変更か - 東京新聞

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 学者の立場から政策提言する国の特別機関「日本学術会議」の新会員候補6人の任命見送り問題を巡り、加藤勝信官房長官は2日の記者会見で、首相の任命権を定めた日本学術会議法について2018年に内閣府と内閣法制局が協議し「解釈を確認した」と明らかにした。確認した内容には触れなかったが、この時に任命拒否も認められるとの解釈に変更した可能性がある。(井上峻輔、木谷孝洋)

 政府が法解釈の変更を公表せず、後に判明した最近の例は、検察庁法で禁じられていた検事の定年延長を安倍政権が今年1月に国家公務員法を根拠として認めたことが挙げられる。当時は官房長官だった菅義偉首相は「今回の解釈変更のような人事制度にかかわる事柄は、必ずしも周知の必要はないと考えている」と話していた。

 内閣法制局によると、日本学術会議法の解釈に関する協議は、内閣府の求めで18年に行われ、今年9月2日にも口頭で解釈を再確認したという。

◆加藤官房長官「法に基づいた適切な対応」

 加藤氏は18年の協議について「(学術会議の)推薦と(首相の)任命に関する法制局の考え方が整理された」と説明。具体的なやりとりなどは語らなかった。首相は官邸で、任命見送りの理由を記者団に問われ「法に基づいて適切に対応した結果だ」と、立ち止まらずに答えた。

 学術会議は17年3月、防衛省の軍事応用可能な基礎研究への助成制度を批判する声明を公表。法解釈の確認はこの翌年にあたる。今回、新会員に任命されなかった6人は、安全保障関連法や特定秘密保護法など安倍政権の方針に批判的な立場を示していた。

◆耳の痛い勧告を避けるため?

 立憲民主など野党が2日に国会内で開いた会合では、内閣府の矢作修己参事官が、学術会議の新会員一覧を9月24日に起案し、28日に官邸の決裁があったと説明した。6人の名前が削除された時期は、関係する文書を確認中だとして明かさなかった。

 野党会合には、新会員に任命されなかった6人のうち早稲田大大学院の岡田正則教授(行政法)が出席。立命館大大学院の松宮孝明教授(刑事法)と東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)もオンラインで参加し、それぞれ見解を語った。

 一方、日本学術会議は2日の総会で、首相に対して改めて6人を任命することなどを求める要望書を提出する方針を決めた。

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