ウォルト・ディズニー・カンパニーが、実写映画版『アラジン』(2019)のスピンオフドラマ企画(タイトル未定)を始動させたことがわかった。米The Hollywood Reporterが報じている。
スピンオフドラマの主人公となるのは、『アラジン』でジャスミン(ナオミ・スコット)に求婚すべくアグラバーを訪れた、スカンランド国のアンダース王子。実写版に追加されたオリジナルキャラクターで、わずかな出番ながらコメディリリーフとしての印象を観客にもたらしたアンダースの物語が「Disney+」にて新たに描かれる。
報道によれば、アンダース王子のスピンオフドラマは企画の初期段階にあるとのこと。『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015)『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2020年4月10日公開)のビリー・マグヌッセンがアンダース役に続投し、脚本家には業界で注目される新鋭コメディ作家のジョーダン・ダン&マイケル・クヴァムが起用された。
また、プロデューサーには実写版『アラジン』を手がけたダン・リンとジョナサン・アーリックが再登板。主演を務めるマグヌッセンは企画の立ち上げから関与しており、ストーリーのアイデアをプロデューサーに提案し、脚本家チームとのミーティングにも加わったという。もちろん、本作はディズニーが検討している『アラジン』実写版続編とは別物だ。
しかしながら現在、アンダース王子のスピンオフドラマには少なからず批判も寄せられている。なにしろこの企画が報じられたのは、『アラジン』主演のメナ・マスードが、その後の不遇をインタビューにて告白した直後だったのだ。エジプト生まれのマスードは、いまだハリウッドに残る人種面のハードルゆえだろう、『アラジン』公開後もオーディションにまったく参加できない状態が続いていると明かしたのである。
これを受けて、SNSでは「アラジン役の俳優がオーディションさえ受けられないのに、脇役の白人男性のスピンオフが作られるとはどういうことか」「アンダース王子のスピンオフは必要ない」といった声が上がった。ハリウッドにおけるステレオタイプが残っている証左だろう、というわけだ。もともとアンダース王子については、有色人種の人々の物語である『アラジン』になぜか白人男性が追加されたとして、実写映画の公開当時から物議を醸していたという背景もあった。
ただし本件については、現在のディズニーが、実写版『リトル・マーメイド』のアリエル役に黒人女優を起用し、『スター・ウォーズ』に有色人種のキャラクターを登場させては、そのたび「ポリティカル・コレクトネス優先で作品を破壊している」といった批判を受けていることにも留意しておきたい。もはやディズニーは、人種と作品をめぐって、ほとんど出口の見えない状況に置かれているようにも思われるのである。
Sources: The Hollywood Reporter, Deadline, Entertainment Weekly
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December 09, 2019 at 05:30AM
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『アラジン』実写版、アンダース王子のスピンオフドラマが始動 ─ 主演俳優の不遇告白直後、SNSで物議醸す - THE RIVER
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