映画で読み解く社会学:『レ・ミゼラブル』(フランス映画)
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「なぜ、こんなやり方で解決できるかのようにふるまっているのか」。10代の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの発言に身構えてしまうのは何もトランプ大統領ばかりではないだろう。ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんは11歳の時、「なぜ女の子が学校に行ってはいけないのか」と世界に訴えた。
有名な子どもに限った話ではない。わが子が親に向ける言葉も同様。子どもの「なぜ?」はいつも率直で偽れない。「子どもにはわからない」「大人の事情がある」「そんな簡単な話ではない」。大人が言い訳をして、言葉を濁す時、たいていの場合、子どもが正しい。
『パラサイト』と賞を競った話題作
『レ・ミゼラブル』は去年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したフランス映画。『パラサイト 半地下の家族』一強で、存在感が薄れてしまったが、フランス代表としてアカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートされるなど、数々の映画祭で『パラサイト』と競ってきた力強い作品だ。タイトルからヴィクトル・ユゴーの同名小説(日本では『ああ無情』でも知られる)を映画化したミュージカル映画と混同されそうだが、あえてこのタイトルで勝負しようとした監督の強い意思が伝わってくる。時代を超えていまもなお、『レ・ミゼラブル』は続いているのだと。
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