お笑いコンビ「フォークダンスDE成子坂」の元メンバー・桶田敬太郎さんが、2019年11月23日に亡くなっていたことが分かった。48歳だった。27日までに、本人が代表者を務めていた所属事務所の公式サイトで発表された。
桶田さんは1992年10月から99年9月にかけて放送されたバラエティー番組「ボキャブラ天国」シリーズ(フジテレビ系)などで活躍。その後、99年の大晦日にはコンビを解散し、その後は、「放送作家・構成作家といった裏方の立場で 自身の出身である『バラエティー』を中心に」活動していたという(本人の所属事務所の公式サイトから)。
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桶田敬太郎さんの公式サイトのキャッシュから
キャッチフレーズは「戦慄の不協和音」
桶田さんの訃報を受け、ネット上ではツイッター上やネット掲示板に桶田さんの死を悼む声が続々。その中でもツイッター上を見てみると、解散前のフォークダンスDE成子坂が出演していたボキャブラ天国に触れつつ、故人を偲ぶ声が多い。あるアカウントは当時の動画をアップしつつ桶田さんを偲んでいるが、その動画を見ると、桶田さんと村田さんが登場する直前のカットに、「戦慄の不協和音 フォークダンスDE成子坂」との紹介文があるのが分かる。
ボキャブラ天国放送当時、出演していたお笑い芸人たちに注目が集まっていたのは当然のことだが、それに加えて話題になっていたのが、お笑い芸人たちが登場する直前に画面に映し出される紹介文。フォークダンスDE成子坂の場合は前述の通り「戦慄の不協和音」だったが、同番組には他にも「邪悪なお兄さん」海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)、「不発の核弾頭」爆笑問題、「電光石火の三重殺」ネプチューンといった、今やベテランとなった錚々たるメンバーが出演していたことを覚えている方は多いことだろう。
当時の放送では、フォークダンスDE成子坂はこれら3組と互角にしのぎを削る才覚を示し、放送の度に大きな話題になるなどしていた。しかし、同番組が終了したあたりから、フォークダンスDE成子坂は徐々に活躍の場が狭まり始め、99年末にはコンビを解散。その後、2006年には桶田さんとコンビを組んでいた村田渚さんがくも膜下出血で35歳で死去。それから12年後となる2018年には「ザ・発言X」(日本テレビ系)で、村田さんにスポットを当てつつフォークダンスDE成子坂を扱った特集が放送されるなどしていた。
ボキャ天終了は「関係ないと思います」
多くの視聴者の記憶に残るフォークダンスDE成子坂。輝きを放ったのは今となっては遠い過去だが、視聴者に対して強烈なインパクトを残したことは今も忘れられていない。そこで、J-CASTニュース編集部は同コンビについての評価を、お笑い評論家のラリー遠田氏に聞いてみた。
まず、コンビ解散の時期がボキャブラ天国放送終了に近く、番組終了と共に活躍の場が狭まっていったように多くの視聴者からは見受けられたほか、番組終了がフォークダンスDE成子坂にはマイナスとなったようにも思える点について、ラリー遠田氏は、
「彼らにとってマイナスだったかどうかと言われたら、あまり関係ないと思います。フォークダンスDE成子坂は『ボキャブラ』が始まる前から業界内では実力派の芸人としてその名が知られていました。人気も知名度もそれなりにありました。『ボキャブラ』に出たことでさらに人気が飛躍的に上昇したのは事実ですが、同じ番組に出ていたほかの芸人に比べると、この番組に出たことの影響は少なかったと思います。
さらに言うと、『ボキャブラ』で芸人が演じていた言葉遊び的な要素の強い『ボキャブラネタ』というのは、本人たちがやりたい方向性の笑いではありませんでした。そのため、彼らは必ずしもこの番組を重視していなかったのです」
と、番組終了はあまり関係ないと説明した。
「自分の理想」へのこだわり
ラリー遠田氏に続けて、その解散理由について聞いてみると、
「解散までの経緯は、数年前に桶田さんが個人で始めたポッドキャスト(インターネットラジオ)番組の中で詳細に語られていました。そこで長い時間をかけて説明されていた解散理由を一言でまとめるのは難しいのですが、自分のやりたい笑いをどこまでも追求したいと思っていた桶田さんと、所属事務所や相方の村田さんとの間の溝が少しずつ広がっていき、解散に至ったのだと思います」
と、さまざまな要因があったのではとの考えを示した。
また、ネット上には
「おふたりがご健在であれば、今の爆問、くりぃむしちゅーと同じ立ち位置にいたでしょう。残念でなりません...」
「フォークダンスDE成子坂 世代的には、さまぁ?ず、くりぃむしちゅーと同じかな。彼らのように、ブレイクすることはなかったけど」
と、フォークダンスDE成子坂には才能がありつつも、ボキャブラ天国に出演していた他のお笑い芸人のようには売れないまま解散してしまったことを嘆く声は多いがこの点については、
「桶田さんの中では、自分の理想とする笑いのようなものがあり、それに対するこだわりも人一倍強かったのだと思います。テレビという場でそれを実現できる機会を与えられなかった、または勝ち取れなかったということが、のちに売れっ子になる芸人との違いだったのだと思います」
と分析した。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)
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February 27, 2020 at 03:41PM
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